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アメリカ:ポートランド(2009年8月)
United States of America : Portland (08/2009)
(地図は右のルートマップを参照)



(旅的な内容ではありません。悪しからず)

全米で最も住みやすい都市

全米で最も住んでみたい都市

全米で最もサステナブルな都市

全米で最も人口一人あたりのレストランの数が多い都市

全米で最も自転車通勤に適した都市

全米で最も歩行者に優しい都市

全米で最も女性が起業しやすい都市

etc..

ポートランドを語る言葉は枚挙に暇がないほど、

毎年のようにリストに挙げられ表彰されている。



アメリカ西海岸の北西に位置するオレゴン州の最大の都市ポートランド。

最大といってもその広さは横浜市くらい。

市の人口もおよそ55万人、都市圏で見ても200万ほど。

2本の山脈に挟まれた盆地に位置し、豊かな自然に囲まれている。

また海にも近いので、太平洋の水産資源にも恵まれている。



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街の中心部であるダウンタウンは活気にあふれ、

北米最大の森林公園をはじめ、多くの公園や緑地帯があり、

世界でも有数の公共交通網が整備され、

美術館や博物館、ギャラリーが充実し、

レストランめぐりも楽しめ、ナイトライフも楽しめる。



また車を少し走らせれば、近郊の自然環境も堪能できる。

カヤック中に野生動物に出会うこともしばしばあり、

オレゴンワインのワイナリーも点在しており、

多くのワイナリーはテイスティング・ルームを併設している。

コロンビア川渓谷やマウント・フッドにおいてハイキングやトレッキングを楽しめる。



戦時中は軍事産業が発展したが、

今ではポートランドからシアトルに至る一帯はシリコンフォレストと呼ばれ、

半導体、電子部品、情報・通信関連企業の集積が進んでいる。

「ナイキ」や「コロンビア」の発祥の地でもある。

ちなみにタックスフリー、消費税なしの都市としても知られている。



都市も自然も楽しめるポートランド。



経済発展と環境保護を両立させた理想的都市とも言われている。

それは都市成長境界線なるものが設けられているからである。

自然環境保存と経済発展のバランスを保つことを目的とし、

都市化すべき地域と開発を抑制する地域とを明確に区分する都市政策。

そのおかげで、市民は都市部から容易なアクセスで

ハイキングなどを楽しめ、豊かな農作物を満喫できる。



都心部に数日いたくらいでは、この街の良さを体感できないだろうけど、

ニューヨークともやや違うし、ロサンゼルスなどのアメリカの他の都市とも

違う雰囲気はすぐに感じ取れるし、

市民が心地よく楽しそうに暮らしている姿を目にすることはできる。

人々が暮らしやすい街は、旅行者にとっても心地良いものである。



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そんなポートランドにおいて、その特徴が色濃く反映された場所が

パールディストリクト(Pearl District)と呼ばれる地域である。

100年ほど前に建てられた工場やレンガ造りの倉庫街が再開発された地域で、

ここはオフィス地域、そこは工場地域、あそこは商業地域、住宅地域というように

あるひとつの限定した用途の地域として開発するのではなく、

ミクストユースという、複数の異なる機能を配置して、

相乗効果を狙う開発手法によって計画された。

要は職住遊機能がごちゃまぜになった感じ。



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まず高架道路を撤去させて歩いて周れる環境を整え、

路面電車(市の中心部は無料)を街の繁華街から

延長させることでダウンタウンと地続きとし、

その上でコンドミニアム(分譲の住戸。日本でいうマンション)を

中心とした開発を行うが、建物も一階は店舗やギャラリーに制限して、

二階以上はオフィスや住居を複合させる高密な市街地が形成されている。

またコンドミニアムには高級なものも多いが、零細企業やアーティスト向けの

職住兼用の住戸も必ず設置するようにしている。



住むところ、働くところ、食べるところ、遊ぶところ、

このような要素が同じ地域にごちゃまぜにあるということは

どういうことを意味するのか。

住宅、オフィス、カフェ、レストラン、バー、アートギャラリーや公園

などの混在によって多様な目的をもった人々がその地域を行き来することになり、

出会いの機会が増えるということ。

実際に、街の道行く人たちを眺めていると、

すれ違いざまに声をかけたり、少し立ち話をしているといった人が少なくない。

あちこちで数人ほどの集団を見かける。

それは道端であったり、カフェであったり、場所を問わない。



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そのような出会いをサポートするように

建物間の外部空間のデザインに気が配られている。

植栽やパブリック・アートのあふれた、歩くのが楽しくなる幅の広い歩道が整備され、

歩道は木漏れ日が心地よい街路樹並木となっており、

ストリート・ファーニチャーが各所に配置されるなど、

まち歩きが楽しめる仕掛けが随所に施されている。

さらに点在する小さな広場的な空間、道路に面した店舗の街への開かれ方、

そういった気配りに加え、ひとつの街区も大きくはないので、

景色も心地よいテンポで移り変わり、街を歩くことが楽しくなる。

歩く機会が増えれば人と出会う機会も増える。

やがて顔見知りもできる。

挨拶だけの関係から会話をする関係へとなることだって大いにありえる。



あるひとつの目的のみの地域、例えばオフィス街とか住宅街では、

生活パターンが似通っているから新たな出会いや驚きが少ない。

でも職住遊が混在した地域だと様々な動機で様々な人たちが

そこを訪れて歩き回っているから接点も多くなる。

それだけでなく、住人たちも町の中での行き場所が増えるので、

人と会ったり刺激を受けたりする機会も自然と増えていく。



ここは元々工場や倉庫街だったこともあり、その場の雰囲気にひかれ、

再開発時にはアーティストやクリエイターといった人が多く集まった。

クリエイティブな仕事にとって、

このような雑多な刺激のある環境というのは向いているようだ。

仕事のONとOFFは分けがたく、考えること(&考えるところ)、

作業すること(&作業するところ)、遊ぶこと(&遊ぶところ)などと

区別するのではなく、生活すること自体がアイデアを生む日常となるという。

アーティストやクリエイターにとって、人と情報、

そして飲食店が集まる都心というのはうってつけの場所である。

働くこと、遊ぶこと、生きていくこと、それらはひとつのことである。



人々が出会い接触する場所が創造性に必要だということは、

何もアーティストやクリエイターに限ったことではないし、

いまに始まったことではない。

かつて繁栄を誇ったイタリアのヴェネツィアでは、

カンポという広場にあらゆる世代の住民が集まってきて、

様々なタイプの人がそこで接触することによって共通のルール、

政治的センス、演劇、コンサート、政治集会といったイベントや祭りなど

様々なものが生み出されていった。

またフランスのカフェの歴史を綴ることは

この国の歴史を綴ることでもあるといわれるほど、

17世紀以来、フランスのカフェは様々な注目すべき形態のものを生み出してきた。



発明王エジソンだって「研究開発工場」とも呼ぶべき施設をつくり、

お気に入りの科学者たちと酒を飲みながらアイデアを磨いた。

そこは多様な才能が集まるいわゆる技術者たちのカフェであり、

それまで個人がこつこつと行ってきた「発明」という仕事を組織的に進める草分けになった。

先端技術ビジネスやIT企業の一大拠点であるシリコンバレーにおいても、

人的接触による無形のネットワークこそがシリコンバレーの中核となる部分である。

発想のヒントは思わぬところからやってくるといい、

人と人とが直に接触するface to faceの交流の場が不可欠といわれている。



昔から人々が接触する場から様々なタイプのものが生み出されてきた。

会話の妙、共通のルール、他者を尊重する態度といったものから、

革命思想、政治的センス、文学、絵画、音楽、ベンチャービジネス、科学技術など。



個人的な体験でも、例えば設計課題をしていて、

机の前でアイデアを練っていても、それほど浮かんでくるものではない。

それよりも町を歩いているときに何かを見てふと思い浮かんだり、

湯船につかってリラックスしている時に思い浮かんだり、

飲みの席での話の流れで、ふとアイデアに結びついたり、

人やモノとの交流がある場合の方が、アイデアがいろいろと思い浮かぶ。






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この旅中でも「仕事」について考えたこともあった。

仕事とプライベートは分ける必要があるのか。

仕事をする場所と遊ぶ場所が離れているのはいかがなものか。



働き方や生き方は人それぞれだけど、

職住分離などの既成の環境で働き方や生き方が制限されているとしたら

それは不幸なことだ。もっと多様な選択肢が与えられてしかるべきだろう。



仕事上において利点があるのはもちろんだが、

何より、様々な人との出会いや新たな刺激は、都市ならではの楽しみ。

単にミックスユースの方が楽しいからって理由だけでも、この手法は取り入れたい。



東京にずっと住んでいて実感することは、

住む場所と働く場所、遊ぶ場所がかけ離れがちになるということ。

電車に乗って通勤して、働いて、遊びに行くときはまた移動して、というように

それらの移動は交通機関を利用するもので

要は「点」で都市を活用しているに過ぎない。

ある地域、自分の所属する地域を歩き回るということがどれほどあるのだろうか。

なかなか「面」として活用できていない。

歩くことが少ないから人との交流は生まれづらいし、

所属するコミュニティ内での交流がメインになり、新たな交流は生まれにくい。

道路も基本的に移動する場所として法的に位置づけられているから、

出会いのきっかけとなるような場所として整備されていない。

今でこそ都心居住などの風潮も生まれてきているが、

まだまだ働く場所と住む場所が離れているというのが多くの人にとって現状だろう。

先日の震災の影響で帰宅難民者が多かったというのも、

働く場所と住む場所が離れてしまっているということを示している。



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ちなみにミクストユースの開発は日本でも行われている。

例えば六本木ヒルズ。

ひとつのまとまった敷地内に、店舗あり、オフィスあり、住居ありといった

複合的な開発を行っている。

ポートランドとの違いは、

ここでは森ビルというひとつの組織が自己完結型の開発を行っていること。

高層タワーに各種施設を入れているし、

各施設間も街路のようなスケール感というよりは、かなり広々としたスケール。

良し悪しはともかく、

これだと街を歩いて楽しんでいるという感覚を感じることは特になく、

商業施設の集積の感が強くなる。

ヒルズ族じゃないし、住んでないから実態はよく分からないけど、

傍から見ていても、ポートランドのような人々の交流はさほどないし、

個人的にはたまに訪れる分にはいいけど、

何度も繰り返し訪れたいと思うようなところでもなかった。

(来週からしばらく通うことになったけど…(苦笑)

それに行ったことがある人は分かると思うけど、

まわりの街とはほとんど関わりのないつくりになっている。

歩いていると突然世界が変わるような感じである。

六本木自体を楽しむためのきっかけにはなっていないような…

(たぶん…もう5年ほど行ってないから、記憶があやふやだけど)



日本では以前ゾーニングでの計画が主だった。

近代の都市計画というものがそうだから。

東京の丸の内だって今では商業施設もあるけれど、

10年以上前はただのオフィス街だった。

ブラジリアもゼロからつくった機能毎に分けた都市だけど、

実際に訪れてみてゾーニングされた町は不便だと感じたし、面白みに欠けていた。



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社会人になると出会いがないという話をしばしば聞く。

男女の出会いだけでなく、人間関係の幅が広がりにくいということ。

それはこのような環境的なことも要因のひとつだろう。

(続く)

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2011.04.19 Tue l 33:北米:アメリカ l COM(2) TB(0) l top ▲

コメント

生活
本気でポートランドに住みたくなった(笑

職/住/遊が人の生活、それぞれ格差や指向の違いは
あるけど分ける必要性は無い 分けてしまったのは
庶民ではなく富と権力でしょう。
ヤマナには生活がある、でも自分がそこに行って
住むというのは実感がわかないです。
以前からオレゴンっていいなって思っていたけれど
ネックは気候ですポートランドは雨の日が多いんじ
ゃないの?
空が青い場所って貧乏でも気分は昂揚するの、でも
雨の日でも楽しい生活がおくれるなら 即移住!!
ここは天気だけがよくって楽しくないところです。

2011.04.20 Wed l ようこ. URL l 編集
No title
>ようこさん
そうですね、都市計画と、
東京の場合は鉄道会社が郊外に住民を誘導しましたね。
バブルのせいで都心を追われた人も少なくないですね。
そういう思考・風潮でしたね。
ポートランドは雨多いらしいですよ。
滞在中も少し降られました。晴れ男なのに…(笑
確かに雨が続くと、気分も沈んできますね。
2011.04.20 Wed l 管理人. URL l 編集

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