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アメリカ:ポートランド(2009年8月)
United States of America : Portland (08/2009)
(地図は右のルートマップを参照)



かつてローレンス・ハルプリン(Lawrence Halprin)という

ランドスケープアーキテクトがアメリカで活躍した。

ランドスケープアーキテクトとは、自然の中の資源を評価して、

そこに相応しい場を、そこにしかない風景を社会の要求によってつくる人のこと。

具体的には都市空間や造園空間、建築群(街並み)などを設計・構築する人のことで、

ハルプリンは噴水広場や公園、歩行者空間、エクステリア空間などのデザインをした。



ちなみに、今日、世界で使われている「ワークショップ」という手法は、

ハルプリンが1960年代に初めて使ったものである。

ハルプリンの意図したことは、その場所の持っている資源を見つけるにあたって、

それに関わる人間こそが資源であるということを伝えたかったようである。



アメリカ北西部に位置し、西海岸を代表する都市ポートランド。

ここにハルプリンがデザインしたいくつかの噴水がある。



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ひとつ目がラブジョイプラザ(Lovejoy Plaza)と呼ばれるもの。

ラブジョイというのは、オレゴン州を開拓した人の名前。

コンクリートによって水の流れを造っている。

山奥から水が流れて川になり、途中に滝があり、海に注いでいく様子を表している。

彼は何ヶ月も山中にこもり、水の流れなどを詳細に観察してこの一連のイメージをつくった。

人々が噴水の中に入り、滝を探索するように仕掛ける。



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訪れたのが日が暮れる前で、人々が遊んでいる様子を見ることができなかったのが残念…



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彼は水の流れを観察し、それを抽象化して都市の風景の中に持ち込もうと取り組んだ。

水の自然性をいかにデザインするかが焦点となっている。

彼はそのデザインの意図について語っている。

それは自然における体験と同等・類似の体験を与えることであり、

デザインされる形態は「自然」である必要はなく、

重要なのはその本質と体験であり、

形態をそのまま映しとることではなく、

様々な感じを引き起こすようにデザインすること。






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これはペティグローブ公園(Pettygrove Park)

芝生の小山と舗装された広場というシンプルな構成。

Pettygroveというのは、ポートランドの都市をつくった人の一人。



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そして、アイラ・ケラー噴水(Ira Keller Fountain)

アイラ・ケラーというのもポートランド開拓に貢献した人。

当初フォアコートファウンテン(Forecourt Fountain)と呼ばれていたが後に改名された。

ビルの谷間の一街区が公園として整備されている。



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勢いよく水が流れる。



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子どもたちも中に入って遊んでいる。

このデザインのような場所は、日本だと落ちたりする危険性があるとかいって

中に入って遊べないだろうけど、自己責任の国であるアメリカでは問題なし。



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公会堂の前庭的な存在でもある。

水の中で楽しく遊べるし、水を眺めてのんびりと過ごすこともできる。



「自然の本質をデザインへと反映させる」

というコンセプトのもとにつくられたこれら一連の公園。

デザインしなければいけないのは、モノそのものではなく、

それを通じて得られる体験であり、

形態などは魅力の一部に過ぎないということなのかもしれない。



40年以上に渡って市民に愛し続けられ使われてきた公園。

形態のみを追求したデザインであれば、

時代の流れと共に忘れ去られていくこともあるだろう。



それは何もランドスケープだけにとどまらないのではないか。

例えばティーカップのようなものでも、単にそのものの形だけ考えるのではなく、

茶を入れて飲むという行為の楽しみ全てを対象とすべき。

そこから形態も決まってくるのだろう、たぶん。。。



そして、デザインのために何ヶ月も山の中で観察を続けたという事実。

デザインに限らず、多くの仕事の現場で効率性が求められている。

理由の大半は経済的な理由によるものであって、

仕事の質を上げることではない。

時間をかけることによってのみ達成できる仕事が確実にある。

時間の厚みというか、仕事量の厚みが表れてくる。



使い続けられるモノって、きっとそういう風にして生まれてくるんだろうなぁ。

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