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アメリカ:アラスカハイウェイ・リチャードソンハイウェイ(アラスカ州)(2009年9月)
United States of America : Alaska Highway & Richardson Highway (Alaska) (09/2009)
(場所は右のルートマップを参照)



アラスカハイウェイ

ユーコン州から再度アラスカに戻り、アラスカハイウェイを北上する。

途中でTokという家が点在するような小さな町に寄った。

特にこれといった産業があるわけでもなく、

いったいどうやって生活をしているのだろうと思ってしまうような町である。

でもそんな町でも人々は何だか悠々と振る舞っているような気がした。

そして背中には「Tok」という文字が入っていた。

自作のTシャツか、いいね~

その後姿を見て、なぜだか安心感を覚えた。



アラスカハイウェイ

どこまでも真っ直ぐなアラスカハイウェイ。

アルゼンチンのパンパを走っているときを思い出す。

変化に乏しくつまらないように思うかもしれないけど、

ここまでくると逆にその変化のなさが心地よく感じるときもある。



アラスカハイウェイ



アラスカハイウェイ

こんな標識も。

バッファローに気をつけて。

轢かないようにではなく、轢かれないように・飛ばされないようにってとこが普通と違う。



アラスカハイウェイ

ついにアラスカハイウェイの終点であるデルタジャンクションに到着。



そのまま進んでフェアバンクスを目指すのではなく、

進路を南へ変更してリチャードソンハイウェイに入る。



アラスカハイウェイ

そこで見えてきたのは雪山。アラスカ山脈だ。

アラスカはまた違った姿を見せてくれる。

雪山をバックにした紅葉もまた素晴らしい。



アラスカハイウェイ



アラスカハイウェイ



アラスカハイウェイ



アラスカハイウェイ



リチャードソンハイウェイからデナリハイウェイに入り、

その入り口の辺りで休憩をとった。

アラスカハイウェイ

旅行者とは明らかに違う人たちが談笑している。



Tokもそうだけど、この自然の厳しいところでも生活している人がいる。

なぜなんだろう。

もっと気候の穏やかなところで暮らせばいいのに…

などと思うのはきっと都会人の考え方。



中には出て行きたくても何かしらの理由により出て行けない人もいるかもしれない。

けれど、

山と共に、自然と共に生きていきたい、という想いが程度の差こそあれあるはず。



それは、東北の人たちの「海と共に生きたい」という想いと同じようなものかもしれない。

町の再建で「高台など津波のこない場所に移した方がいい」

という意見は都会人の論理だろう。

被災した漁師は「恐ろしかった」とは言うけど、

海への恨み言はなく、「海を見て暮らしたい」という人が多いようだ。

時には自然の脅威があることを承知の上で、

その土地の自然の恩恵を受けて生きてきた。



中にはアラスカパイプラインの管理とか、

工業に身をおいている人もいるかもしれない。

それでもこの土地で生活を続けている人は、

厳しいことも多いだろうが、

何かしらの自然の恩恵を受けていることだろう。



要は生き方。

どうやって生きていくか。



便利な生活がしたい、安全なところで生活がしたいとか、

仕事がどうの、プライベートがどうのとか、

そのような都会の人が考えるような次元のことではなく、

もっと根本的なところの、生に対しての信念のようなものかな。



都会以外の暮らしは自然と共にある。

そしてそこの人々は自然に対する諦念も持つ。

自然や天災の受け止め方が都会の人とは違う。

よって考え方も違ってくる。



世界には砂漠に住んでいる人もいるし、

人里離れた山奥に住んでいる人もいる。

多くの人が都会に出ていきたいというのに対して、

その土地に根を張る人もまた少なからずいる。



さて、どうやって生きていこうかな。

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2011.08.16 Tue l (33':北米:アラスカ&ユーコン) l COM(0) TB(0) l top ▲
アメリカ:デナリハイウェイ(アラスカ州)(2009年9月)
United States of America : Denali Highway (Alaska) (09/2009)
(場所は右のルートマップを参照)



月明かりで山脈のシルエットが浮かび上がる。

あ~すごい景色なんだろうなぁ。



日が暮れてもなお車を走らせ続け、デナリ国立公園を目指す。

公園のキャンプ場は人気があり、予約しないと泊まることが困難であった。

運よく予約が取れたものの、そこまでの道中の景色が凄すぎて、

しばしば車を停車させていたので、日があるうちに公園に到着することができなかった。



ここはデナリハイウェイ。

アラスカ山脈と平行して走るハイウェイで、

本来ならアラスカ山脈の景色を満喫しながら

デナリ国立公園を目指しているはずだった。

しかしデナリハイウェイに入った時点でもう日が暮れていたので、

暗闇の中を進むことになった。



デナリ国立公園のキャンプ場行きのシャトルバスの予約は明日の朝6時。

(公園内は自家用車禁止。移動は公園のバスのみ)

このまま行けば2時か3時には公園につくだろうから、

公園まで行ってバスの出発まで仮眠を取ろうということになった。

そして深夜12時頃、運転を変わった。



道は未舗装で、所々陥没している有様。

車のライトだけを頼りにそれら障害物をよけなければならない。

まるでゲームをしているような感じ。

そしてムースなどの大型野生動物をはじめ、

動物もときどき道路を横切るのでそうそう気が抜けない。

ときどき北方と頭上の空を眺め、オーロラが出ていないかチェックする。



やっとのことでデナリハイウェイを抜けた。

もう午前2時をまわっている。

疲れはもうピークに達していたが、

同乗者はぐっすり寝ているし、

ここまでくればあと30分ほどで公園につくだろうし、頑張ってしまおう。



しかしこの判断が間違いだった。



舗装道路になって気が緩んだ。

カーブをまがる際にタイヤがややすべるような感じがする。

んっ、気のせいかな…

そしていくつめかのカーブに差し掛かったとき、

タイヤが白線の外側にあるギザギザ?デコボコ?

(何ていうのかな、日本でも高速道路にはあるやつ)

に触れた瞬間、急に車の進路が変わった。

(実はデナリハイウェイでタイヤがパンクしていたか、

あるいはかなり傷ついていてパンク寸前だった)



目の前にはガードレール。

ぉわ~ぶ・つ・か・る~

あわててハンドルを逆に切る。

しかし切りすぎた…

ぬお~、木にぶ・つ・か・る~

またハンドルを切る。

すごい蛇行運転になり、同乗者の叫び声が聞こえる…

あら、起きちゃった。。。そりゃ起きるよね。

とにかくまっすぐにハンドルを戻したいがもどせない。

あ~またガードレール~

正直、もうダメだと思った。



…この先一部記憶なし…



運よく茂みに向かったのか、意図して茂みに突っ込んだのか覚えてないけど

車は茂みに突っ込んで止まった。

ふぅぅぅ助かったぁぁぁ。



車線の片側がガードレールで、片側が茂みだった。

幸い、ガードレール方向ではなく、茂みだったので、

みんな怪我もなく、車の破損もほとんどなし。

時速7~80kmくらい出てた割には車のダメージは少なかった。

対向車にも迷惑かけずにすんだ。

真夜中だったから交通量も少なくてよかった。

っていうか真夜中まで運転してるからこういうことになったんだけど…

パンクしたタイヤのホイールがいっちゃったけど、

まああのスピードからしたらこの状態は幸運だ。



深夜にも関わらず通りすがりの人たちがみんなかけよってくれた。

車も茂みから出してくれた。

とりあえず最寄のガソリンスタンドへ。

パンクした状態で走ってたからホイールがガタガタなので、

時速10~20kmくらいしかだせない。

ノロノロと小一時間ほどかけてガソリンスタンドへ。夜が明けるのを待つ。

朝になり、近くの修理屋さんの連絡がつく。

タイヤを直して、とりあえず応急処置完了だ。



疲労がない状態だったら、

タイヤの違和感も、もっと気に留めていたかもしれない。

疲労がない状態だったら、

車の進路が変わったときに、もっと迅速に対処できたかもしれない。

反応が一瞬遅れたのは事実。



教訓

・旅程は余裕をもったものにしよう

・疲れたときは運転を控えよう

運悪きゃ死んじゃいますね

もうあんな思いはこりごり…

2011.08.18 Thu l (33':北米:アラスカ&ユーコン) l COM(3) TB(0) l top ▲
アメリカ:デナリ国立公園(アラスカ)(2009年9月)
United States of America : Denali National Park (Alaska) (09/2009)
(場所は右のルートマップを参照)



デナリ国立公園



車の修理を終え、デナリ国立公園に向かった。

予約してあった午前のバスには間に合わなかったけど、

午後のバスに乗ることができた。



ここデナリ国立公園は、人間は大自然にとってただの訪問者にすぎない、

という考えに基づき、一般車輌の進入も制限され、

一定区間内はシャトルバスのみが園内を走ることが出来る。

シャトルバスは5月下旬から9月中旬まで。

なので公園の奥まで行くには一日2本のバスに乗るしかない。



デナリ国立公園

デナリ国立公園はちょうど森林限界をはさんでいる。



デナリ国立公園

このため、北方針葉樹林帯タイガとアルパインツンドラの両方にまたがっている。



デナリ国立公園



デナリ国立公園

公園内(たぶん)唯一の道。

目指すはワンダーレイクのキャンプ場だ。



デナリ国立公園

遠くに見えるのはドールシープの群れ。

険しい山岳地帯の急な岩山や崖などで生活している。



デナリ国立公園

オオカミやコヨーテ、クマなどに襲われることが少ないため、

彼らは急な斜面で生活している。



デナリ国立公園

このバスは外敵ではないと判断されているのか、横を悠然と歩いていく。



デナリ国立公園

こちらはツンドラ地帯に生息するカリブー。

カリブーは英語圏での呼び名で、日本ではトナカイ。トナカイはアイヌ語に由来する。

群れを形成し、季節によって大規模な移動を行う。



デナリ国立公園

アラスカ山脈が姿を現した。



デナリ国立公園

そして憧れのマッキンリー(マッキンレー)山も。

北米大陸最高峰のこの山は、雲に覆われてなかなかその姿を望むことができないという。

確かに他の山々はよく見えるけど、マッキンリーだけは雲に覆われている。



アラスカ山脈の麓には広大な渓谷が広がり、

川の片側はツンドラの原野が覆い尽くしている。



デナリ国立公園

川の反対側は針葉樹林の原生森林が果てしなく続いている。



どこまでも続くような壮大な原野。

そして広い空。



本当に広い。ただ単に物理的に広いだけではない。

それだけではない何かがこの広がりを生み出しているような気がした。



デナリ国立公園



これまでも山のある場所にはいくつも訪れたが、

山のまわりには程度の差こそあれ人の営みがあった。

ヒマラヤでもアンデスでも、山の周辺には人の営みがあった。

しかしこの山脈の周辺には家も田畑もないし、牧畜をしている人もいない。



もしかしたらこの辺りにも先住民が住んでいるのかもしれない。

アラスカの先住民はマッキンリー山のことを、

彼らの言葉で「偉大なるもの」を意味する「デナリ」と呼んでいた。

そう呼ばれているということは、

少なくても山の周辺に人が住んでいた(いる)ということだろう。



でも、この景色には人の営みを感じさせるものがない。

人の世界とはまったく関係のないような自然のたたずまい。

人の住んでいる都会とは対極のような場所で、

ここは都会の人にとって遠い存在なのかもしれない。



そういったたたずまいが、

壮大なスケール感や極北の植生による空間の広がりと共に、

本当に遠い場所に来てしまった、

何だかそのような感じを抱かせるのかもしれない。



季節が違えばまた想いも違ったかもしれない。

でも秋の紅葉の終わり、冬の直前というこの季節の光景は、

そのような想いをより一層深めさせた。



デナリ国立公園



National Geographic誌に

「地球上にこれほど壮大な眺めはないだろう」

と言わしめるほどの景色。

確かに。。。

何だかとんでもないところに来てしまったようだ。
2011.08.21 Sun l (33':北米:アラスカ&ユーコン) l COM(0) TB(0) l top ▲
アメリカ:デナリ国立公園(アラスカ)(2009年9月)
United States of America : Denali National Park (Alaska) (09/2009)



デナリ国立公園



ワンダーレイクキャンプ場は、デナリ国立公園の真っ只中にある。

30組程度しか泊まれない小さなキャンプ場だ。

目の前には広大な渓谷が横たわり、

その先にはデナリがそびえている。



デナリ国立公園

ただそこにあるだけ、圧倒的な存在感。

アラスカの大地を見守るように。



この北米大陸最高峰6194mの山は

アラスカの先住民の言葉で「偉大なるもの」を

意味するデナリと呼ばれるようになった。

現地の言葉で呼ばれるようになってきて、その風潮は喜ばしいことだけど、

マッキンリー(マッキンレー)の方が馴染みがある。

ちなみにマッキンリーとは時のアメリカ大統領。

この山とあまり関係ないような大統領の名前の方に馴染みがある

というのもちょっと悲しい…

昔から聞きなれているというのは、結構影響力が大きいものだ。



写真だとそれほど高くないように見えるかもしれないけど、

目に見えてる高さだけでも5000mをゆうに越える。

麓の平地から山頂までの高さは5500mにもなり、

ひとつの山としてはエベレストを遥かにしのぐ、世界最高峰だ。

その見方をすればエベレストは3700mほどらしい。



う~ん、いくら見ていても飽きない。



デナリ国立公園

ブルーベリーの葉も赤く色づいている。

このブルーベリーがまたまた美味しい。



ここは国立公園とはいえ、大自然の真っ只中。

野生のクマをはじめ、多くの動物が暮らしている。

クマも長い冬に備えてこの時期はブルーベリーをたくさん食べる。

なので、気をつけないとブルーべりーを探しているクマにばったり遭遇ということも…

しかし人間がいるということがクマに分かれば、基本的にはクマの方が逃げていくらしい。

(子グマが危ないと感じれば、親グマは攻撃してくる)

なので音を出して、クマに我々の存在を知らせなくてはならない。

ということで「森のくまさん」を歌いながら歩くことに。。。



冗談ではなく、本当に出くわすこともあるので

適度に緊張感はもっていなければならない。

一応ベアスプレー(対クマ撃退用の濃縮された超強力なペッパー)も

持っているが、冷静にそれを吹きかけられるのか疑問…

風向きによっては自爆するだろうし…

目に入ったら失明するらしいし…

使えないな。。。

やはり「森のくまさん」が一番効き目あるかな。。。

っていうか鈴だろう。ずっと歌い続けられんわ。。。



でもクマと一緒に仲良くブルーベリーを頬張れたら。

そんな絵本のような展開になる確率は果たしてあるのか…って思うけど、

同じ場所で食べているという状況には十分なりえる、

そんな場所だ。

緊張するだろうけど、そんな状況を味わってもみたい。



結局クマに遭遇することはなかったが

(人によっては目の前に現れたとかも)

離れたところにはグリズリーやカリブー、

近くではドールシープやムース、ビーバー、レッドフォックス、

そしてリスなども目にすることができた。

他にもオオカミやコヨーテもいるようだ。



デナリ国立公園には人間が入り込むことによって

自然が破壊されることのないよう、数多くの規制が設けられている。

デナリには自然本来の姿、弱肉強食の世界があり、自然の連鎖が残り、

人間の作り出したゴミがなく、何もかもが土に戻る、

本当の自然が残されていると言われている。



アラスカ山脈の雄大さと美しさにうっとりし、

足元の地衣類などに小さな美に気を配り、

ブルーベリーなどの自然の恵みを味わい、

時に葉のこすれる音に動物の気配を感じ緊張する。

自然の素晴らしさと、時折の緊張感、

これらがここの生の自然に触れる醍醐味かもしれない。

デナリ国立公園では充実した3日間を過ごすことができた。



デナリ国立公園



デナリ国立公園



デナリ国立公園



デナリ国立公園

山の斜面にグリズリーが。



デナリ国立公園

カリブーの群れ。

極北アラスカの大地の大部分は人間を寄せつけないような凍った大地であるツンドラ。

わずかに生える苔などを求めてカリブーの群れが移動していく。

ここよりもっと北の大地では、何千、何万というカリブーの群れが移動するという。

そしてそこにはカリブーを生きる糧として

昔ながらの生活と文化を維持し続けている先住民の暮らしがある。



これまでも野生動物の姿は見てきたけれども、ここではそれらとは少し印象が違った。

必死になって生きるという感じが他よりも感じられたような気がする。

本当に厳しい自然環境に生きているからこそ、

そういう中で生き抜いていくために生活している姿はより胸に響いてくるものがある。



人は文明を生み出し、都会では自然環境から逃れ、別世界で安心して暮らすようになった。

他の動物の多くはペットとして、家畜としているだけ。

生きるために必死にならなくてもいい、そんな環境にいる。

少なくても生きるか死ぬか、という状況に常にいるわけではない。

それはたぶん良いことなんだろうけど、

日々の緊張感のようなものが少なく、

生きている実感みたいなものは希薄しているのではないか。




ここでのキャンプ生活は、食べて寝る、大雑把に言ってしまえばそれだけの生活。

でもそれだけでも充実しているというか、

食べること、寝ること、生活すること(生きること)を普段より意識するし、

テントの薄皮の一枚という環境や、他の動物の存在が

それらをピシッと引き締めてくれる。



デナリ国立公園

どちらが良い悪いということではなく、

かつてはそんな時代だったし、

今でも場所にはよってはそんな環境だ。



ただ、そこに人間はほとんど残っていない。


2011.08.29 Mon l (33':北米:アラスカ&ユーコン) l COM(0) TB(0) l top ▲
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